1136人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「わぁ~!!!
キレイだねー?
ね?見て、見て、海翔さんっ」
海翔さんに案内されて、
部屋のリビングへと入った私は、
隣に居る海翔さんの腕にピッタリと寄り添って、
窓の外に広がる綺麗な夜景に、はしゃいでいた。
まるで、
窓枠の形に切り抜かれた…
真っ暗な夜空に散りばめられた、
キラキラと煌めく宝石のように綺麗だから。
そしたら、
「さっきとはエライ違いだな?」
呆れたように言ってくる海翔さん。
さっき…って言うのは、
マンションのあまりの豪華さに圧倒されて、
緊張してガチガチになってたことを言ってるんだろうと思う。
「……もう忘れた…。」
今、そんなこと言わなくてもいいのに……。
せっかくの眺めなのに……。
そう思って拗ねて言えば、
「じゃぁ、思い出させてやる」
私を後ろから抱きしめると、
肩に顔を埋めるようにして私の顔を覗き込んでくる海翔さん。
身体をピッタリと密着させられ、
吐息を感じる至近距離から見つめられて。
ドクドクと心臓が暴れだしてしまうし。
顔だって燃えるように熱くなってきた。
「真っ赤になってる。
思い出したか?」
「/////」
イ…イジワル……。
得意気に言ってくる海翔さんが恨めしい。
最初のコメントを投稿しよう!