*8*

4/23

1136人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
挨拶を済ませると。 「芽依ちゃん。さぁ、こちらへどうぞ」 そう言って、テーブルに案内してくれて、 椅子まで引いて座るように促してくれた颯介さん。 本当に、ジェントルマンだ。 動きの一つ一つが洗練されていて、 イケメンなのに、嫌みなんて微塵も感じさせない。 こういうことに慣れてない私は恐縮しっぱなし。 きっと、オドオドしてるに違いない。 「…どうも、ありがとうございます」 「そんなに構えなくていいよ。 さっきも言った通り、我が家だと思ってくつろいでよ」 優しく目を細めて言ってくれるけど、どうしても緊張してしまう。 「……はい」 なんとか頷くと、 「彩乃が言ってた通りだ。 芽依ちゃん純粋で可愛いね? 自分の色に染めたくなるよ。 もう、海翔には染められてるのかな? テクはあると思うけど、かなりのドSだろうから大変だね…」 「/////」 どこか悪戯っぽい笑みを浮かべて、 頭を優しくポンポンと撫でながら、 そんなあからさまなことを言われて固まってしまった。 どう反応していいのか解んないんだもん。 やっぱり、海翔さんの伯父さんだ……って妙に納得してしまった。 「颯介さん、芽依が困ってる。早く食わしてよ」 そこへ、 すかさず呆れたような口調で私を助けてくれた海翔さん。 「解った。 この後の楽しみが減るもんな。 じゃぁ、待っててね?芽依ちゃん」 それを、 クスクス笑いながらなんなくかわす颯介さん。 なんか少し引っ掛かるワードがあった気がするんだけど……。 「解ってんなら早くして…」 それに対しては、肯定するような言葉を返した海翔さん。 「……あ、はい」 その隣で、 慌てて返事を返している私はというと……、 二人のマイペースなイケメンに翻弄させられっぱなしだ。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1136人が本棚に入れています
本棚に追加