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颯介さんの話しは尽きることがなく、
楽しい時間は、
あっという間に過ぎてしまう。
一方の海翔さんはというと…、
颯介さんと私が仲良くなって話している間、
ずっと面白くなさそうにしていた。
それを、
颯介さんに茶化されて、
ブツブツ文句を言いながらも、
どこか楽しそうな海翔さん。
きっと、
お父さんの居ない海翔さんにとって、
颯介さんはお父さんのような大事な存在なんだろうな。
そして、
海翔さんが颯介さんのお店に、
私を連れて来てくれたって事が、
何よりも一番嬉しかった……。
こっそり颯介さんが、
海翔さんが女の人を連れて来たことがない……って教えてくれたからだ。
午後11時になって、
颯介さんに見送って貰いながら、
颯介さんのお店、マ:メゾンを後にした。
帰る間際、
悪戯っぽい笑みを浮かべた颯介さんに、
『海翔、独占欲強いようだから朝まで頑張って』
なんて、
私だけに聞こえるように、
意味深な言葉とアップルパイの入った箱をプレゼントに貰って……。
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