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自分の感情は抑え込んでしまうクセに、
周りの顔色ばかり気にしていたような気がする。
家の中でも、
他人に家のことをしてもらうのが嫌だと言って、
なんでもソツなくこなしてしまう海翔が家事全般やってたし。
まぁ、彩乃たちにできるとは思えないが。
きっと、自分の存在を認めて欲しかったんだろうな?
そんなことしなくても、彩乃たちも俺も、海翔のことを大事に思っていたのに。
もっと甘えても良かったのに、不器用だからできなかったんだろうな?
そうさせてたのは、周りに居た俺たちなんだけれど……。
そんな海翔が、
感情を剥き出しにして、
あんなにムキになる姿を見せたのは、
……いつ以来だっただろうか。
もう…ずいぶんと昔のことのような気がする。
彩乃から聞いてはいたが、正直驚いた。
それに、
リカとのことが少し気にはなったが…、
『もう会ってない』
って言った海翔はなんとも思ってはないようだった。
そりゃそーだよな?
海翔は今まで、
本気で人を好きになったことがなかったんだろうから。
リカには悪いが、俺は海翔と芽依ちゃんに幸せになって欲しい。
海翔を変えてくれた芽依ちゃんのためにも……。
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