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あれから、 海翔の部屋へと移動した私達は、 夕飯を済ませてから、 今夜はX'masということで、 前に颯介さんから貰ったと言うシャンパンを飲んでくつろいでいた。 そこまでは、良かったんだけど…。 少しアルコールが回ってきた海翔は、 いつもより饒舌になって、主任のこととかを何度も聞いてくる。 さっきから質問攻めにされてる私は、 ソファーに座ってる海翔の膝に乗せられ、 海翔の腕に背中でしっかりホールドされて、 逃げ場を与えて貰えない。 「…で、リカには、何て言われたんだ?」 もう、既に三回目のこの質問に、 「海翔が私のこと飽きるまで、海翔のことお願いねって。 そう言われたって言ってるじゃない!」 本当は、 告げ口してるみたいで海翔に話すのは嫌なんだけど…、 正直に話してるのに。 「それはさっきも聞いた。それだけじゃないだろ? 他には、何て言われたんだ?」 「もう、良いじゃない!」 ずっと、こういうやり取りが繰り返されているのだった。 「俺に言えないようなことなのか?芽依が言いたくないんだったら、もういい」 そして、答えない私に、 今度は拗ねたように言って、 寂しそうにソファーにグタリと項垂れる海翔。 ……なんか子供みたい。 いつも感情を抑え込んでるから、その反動なのかな? だとしたら、これが本当の海翔なのかな?
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