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「……えっと、少しぶつかって痛かっただけで、ダイジョブ…です…」
ぶつかった人が松岡主任だったことに驚いた私は、
掛けられた声によって、泣いてることに気づかされた。
驚きすぎたせいで、
涙は引っ込んでしまったけれど。
これ以上見られたくなくて、
顔を隠すために俯いて答えた。
「嘘つけ。顔色も悪いし、大丈夫じゃねぇだろ？
ちょうど商品の回収終えたとこだし。
もう帰るから送ってく」
「……え、ちょっ、ホントに大丈夫ですからっ…」
「お前の大丈夫は信用できないんだよ。
なんかあったんだろ？
聞いてやるからこい」
「そんなに引っ張んないで下さいってっ」
「じゃぁ、黙って来い」
それなのに、
俯いてる私の腕を掴んだ主任は、
何度も断る私に構うことなく、
強引に引っ張って駐車場の方へ行こうとする。
こんな時でも、
前に海翔が言ってた…
『他の男の車に乗って欲しくない』
その言葉を守ろうとする自分が居て。
必死に断り続ける自分が不憫に思えてくる。
それに、
こうなったら、
いつも強引な松岡主任を止めることなんて出来ない。
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