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俺は、
やっぱり、
生まれてくるべきじゃ無かったんだろうか?
芽依に出逢うべきじゃ無かったんだろうか?
なんて…
考えてもどうしようもない…、
情けないことばかりが頭を支配していく。
そんな情けなくて、
どうしようもない俺の身体が突然グラリと揺らいだ。
その瞬間、
ソファーに倒れ込むように背中から沈み込んだ俺。
そこに倒れ込むようにして芽依が崩れ込んできた。
どうやら芽依に抱きつかれたようだった。
ほんの一瞬、
声を掛けるのを躊躇ったが、
そっと優しく呼び掛けてみると、
「……芽依?」
「……っご、めん、なさ…い」
思いもしなかった言葉が微かに耳に流れ込んできた。
今にも消え入りそうなぐらい儚くて、震えた掠れた声だった。
「なんで…芽依が、謝るんだよ?
俺が、…俺が…悪いのに。謝んなよ…」
俺は、
必死になって…
芽依の身体を抱きすくめるようにいて、
さっきよりも強くキツく抱きしめていた。
男のクセに涙なんか流しながら。
文字どおり、無我夢中に……。
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