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*海翔side* 今夜はX'mas。 颯介さんとこのパーティーに招かれた俺は、 芽依が来るのを今か今かと待っていた。 ほぼ、毎晩のように逢っている筈なのに。 そして、逢えば必ず、抱いているっていうのに……。 飽きることなんてない。 ずっと、この腕の中で、 閉じ込めていたいって思うくらい、 俺は芽依に溺れてしまっている。 自分の独占欲に呆れてしまう程に。 いつものように… 診察時間を終えた俺は、診察室の片付けをして。 入院中の動物たちの様子を見たり世話をしていた。 そこへ、自動ドアの開閉音が鳴り響いた。 時計を見た俺は、 『今日は、少し早かったんだな?』 そう、思いながら、芽依が診察室に入って来るのを待っていた。 「海翔、どうして電話に出ないの?」 けれど、 診察室に入って来たのは、 漂わす甘ったるい匂いとは対照的に、 苛立ちを含んだ声と共に現れたリカだった。
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