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受け取ったカップに口をつけた俺に颯介さんが声をかけてきた。
「海翔とこうやってゆっくりコーヒー飲むなんて久しぶりだな?」
「…ん。あぁ、確かに」
言われてみればそうかもしれない。
素直にそう思った。
「相変わらず、お前はそっけないなぁ?
芽依ちゃんが居るときは、色々文句たらたら吹っかけてきたクセに。
ホントに解りやすいな?」
軽く笑いながら目を細めて茶化すように言ってくる颯介さんに、
「颯介さんが芽依にちょっかい出すからだろ!?」
つい、ムキになっちまった……。
バツが悪くて、目を伏せカップにもう一度口をつけてると、
「ハハッ、カワイイやつだなぁ?お前は」
なんて、
また笑いながら言ってきた颯介さんが、
俺の頭に手を伸ばして撫でようとしてくる。
「やめろってっ!もうガキじゃねぇんだからさぁ」
堪らず…手を払いのける俺に、
昔とちっとも変わらない優しい笑みを向けてくる颯介さん。
「解ってるよ。
けど、俺にしてみればカワイイ甥っ子に違いないんだから仕方ないだろ?」
全然、悪びれもしないし……。
まぁ、颯介さんらしいけど、いい加減子供扱いはやめて貰いたい。
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