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気を取り直すつもりで…
俺がコーヒーをもう一口飲んだ後、
笑うのをやめ、表情を引き締めた颯介さんがゆっくり口を開いた。
「ここでリカと待ち合わせなんて初めてだよな?
俺が居るからって、あんまり感情的になるなよな?」
これが最初で最後になるだろうけど……。
っていうか、そうなって貰わねぇと困るんだけどな?
ったく、リカは何考えてんだ?
自分が蒔いた種だとは解っているけど、腹が立って仕方ねぇ……。
「ん、あぁ、解ってるよ。
アイツが芽依にどういうつもりであんなこと言ったか知らねぇけど……。
もう会いに来るな…ってハッキリ言っとくだけだから」
それには、心底…面倒くさげに答えた。
「だったら良いけどな。
それより、芽依ちゃんとは上手くいってんだよな?
今日のこと知ってるのか?」
芽依の名前が出てくると…、
仕方がないとはいえ、ヤッパリ心苦しい。
「……うん。リカとのことも、ちゃんと話したし、なんとか解って貰えた。
今日のことは、芽依には言ってない。昨日から帰省してるんだ」
間際まで言おうかどうか迷ってはいたけど、
結局は帰省するって聞いて、芽依に言うのをやめたのだった。
余計な心配はかけたくなかったし……。
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