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「猫なんかよりもっと、芽依の方がカワイイからな。
俺にとったら…芽依が世界で一番だからな」
俺にとって、
芽依がどれだけ特別かって知ってて貰いたくて、
気恥ずかしさなんて気にしてるような余裕なんてなくて、
臭い言葉を囁いた俺に、
モジモジしながら照れ臭そうにして、
瞳を伏せて顔を赤く色付けながら
「海翔って、たまに…スッゴいくすぐったいこと…言うよね?
聞いてるこっちが恥ずかしいよ」
そう文句を言ってくる芽依。
だから、
そういうとこが
…可愛くて堪んねぇんだよ……。
俺の心を惹き付けて離さねぇんだよ。
芽依のことを好きだと自覚したのは、しのさん以来のことだった。
否…
しのさんへの感情は
家族に対するものと同じだったのかもしれない。
俺にとって、
芽依がしのさん以上に特別な存在だったんだってことを、
今夜、改めて思い知らされたんだ。
俺は暫くの間、
傍に居られる喜びを噛み締めたくて、
芽依を抱きしめたままで動くことができなかった。
俺はあとになって、
そのことを芽依に伝えておけば良かったと、
後悔することになるなんて、
思ってもみなかったんだ……。
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