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挨拶も終わったし、お土産も渡したし、お腹も満たしたし、そろそろ帰ろうとしていた頃。 「颯介さん、ごめんなさい。だいぶ落ち着いたから帰るわね?」 店の奥から突然現れたとっても上品そうな綺麗な大人の女性にくぎ付けになった。 「あぁ、忍、もう大丈夫なのか?送っていくよ」 どこか体調でも悪いのか、 少し色素が抜けた透き通るような白い肌の女性に心配そうに駆け寄る颯介さん。 「ええ、大丈夫ありがとう。タクシー呼んであるから。 ……ねぇ?もしかして海翔くん?久しぶりね?」 海翔を見て、とっても嬉しそうに柔らかい微笑みを浮かべる女性。 「……しのさん、退院してたんだ」 「外出してるだけなんだけどね」 海翔は女性を見た瞬間、 私の気のせいかもしれないけど、 悲しそうな、なんとも表現しにくい複雑な表情をしたように見えた。 「ちょっと、そこまで忍を送ってくる」 「…あぁ、うん」 「え、良いのに」 「良いから、ほら?」 「カワイイ彼女さんが居るのに邪魔してしまって、ごめんなさいね? じゃぁ、また。お休みなさい」 「あぁ、お休み」 少しだけ言葉を交わして、 忍さんと呼ばれてた女性と颯介さんはお店から出ていってしまった。 私は、ただペコリと頭を下げることしかできなかった。
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