*11*

4/23
前へ
/23ページ
次へ
また、 意地悪なことを言われると思って身構えていると… 「タコでも恥ずかしんだな? あ、また、さっきより赤くなったし、カワイイタコだな?」 案の定 私の頬に人差し指を軽く当てて、 楽しそうにぷにぷにと突っつきながら… しつこく…そんなことを言ってくる海翔に、 とうとう、カチンときてしまった私は 「海翔が私のことをタコって言ってきたんじゃない! そんなに、タコタコってしつこく言わなくてもいいじゃない! もう、本当に海翔なんて知らないっ!」 言い出したら… 引っ込みがつかなくなってしまい、 海翔にくるんと背中を向けて布団に潜り込んだのだった。 「今度は猫かよ? そんなに、布団があったかいのか?」 布団に潜り込んだ私に、 尚も意地悪なことを言ってくる海翔。 こんな筈じゃなかったのに……。 ただ海翔に甘えたかっただけなのに……。 海翔と一緒に過ごす初めてのお正月なのに……。 海翔のバカ……。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1031人が本棚に入れています
本棚に追加