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*芽依side*
暫くしても…
布団に潜り込んだまま出ようとしない私に、海翔が声をかけてきた。
「芽依、悪かったって。
ほら…機嫌なおせよ、な?」
「・・・」
でも、
怒って拗ねてしまった私が今更素直になれる筈もなく。
意地になって無視を決め込んでると…
パサッといきなり布団を捲られて、
ベッドの上で胡座をかいた海翔によって、
両脇の下を両手でしっかり固定され、
まるで猫みたいに軽々と正面から抱き上げられてしまった。
「ほら、捕まえた」
なんて…
呑気な声を出しながら……。
「ヤダッ……離して!」
なんか
私一人だけで怒ってて、
バカみたいでスッゴく悔しんですけど……。
そう思って、
海翔をキッと軽く睨みながら怒って言ったのに。
「俺もやーだね。
こんなカワイイ芽依を離す訳ねぇだろ?
機嫌なおせよ、な?
今日は芽依の言うこと、なんでも聞いてやるから。
イッパイ甘やかしてやるから…。
なぁ?芽依、どっか行きたいとことかないのか?
なんか欲しいもんとかないのかよ?
ほら、言ってみ?」
凄く嬉しそうに、
私に優しく微笑みかけながら言ってくる海翔に、
何も言えなくなってしまった。
海翔ってばズルいよ……。
さっきまであんなに意地悪だったのに……。
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