*12*

25/29
前へ
 /29ページ
次へ
「おい!リカ、離せよっ!」 振り払おうとすると鍵が掛かんねぇし、 気だけが焦ってしまっている俺には、 動きを封じるようにして抱きすくめてくるリカをどうすることもできなくて。 そんな俺に構うことなく、 興奮状態でグイグイ詰め寄ってくるリカ。 くっそ! どうすりゃ良いんだよ……。 とにかく、 今は芽依を追いかけねぇと……。 そう思った俺は、 「イヤ! ねぇ?姉さんのとこにあの子と行くって、どういうことなの?」 興奮状態のリカをなんとか落ち着かすために、 腕を掴んで正面から向き直った。 そして、 「そのまんまの意味だよ。 リカ、頼むから離してくれよ? 俺、芽依が居なきゃダメなんだ。 初めて失うのが怖いって思ったんだ。 一生離したくないって思ってんだ。 頼む。行かしてくれよ…」 怒鳴るんじゃなく、 必死に言い聞かすようにして話し掛けた。 「……そんなにあの子が大事?」 そんな俺の真意をうかがうようにして 少し落ち着きを取り戻したリカが瞳を真っ直ぐに見つめてくる。 「あぁ。スッゲー大事だよ。 芽依が居てくれるんだったら、なんにも要らねぇ。 芽依が俺で良いって言ってくれるんだったら、直ぐにでも結婚したいと思ってる。 明日、俺の生まれた日に、しのさんに報告しようと思ってるんだ。 颯介さんにもこの前電話してある」 俺は、今夜、芽依に言う筈だったことをリカに伝えた。

最初のコメントを投稿しよう!

1040人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>