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さっきまで、 俺の隣であんなにギャーギャーと騒いでいた姉さんも、 いつのまにか芽依に触れるのをやめてて、 静かに僅かな動きも見逃さないようにして芽依を見つめていた。 芽依に繋げられた機械の画面に、 映し出されている心拍数のグラフと連動して、 ピコピコ鳴り続ける間抜けな音だけが、 殺風景な病室に響き渡っていく。 そうして俺たちが見守っていること数分、 初めは瞼が小刻みに震えるように動いていただけだったのが… 僅かに眉を顰(シカ)めるような動きまで加わった。 俺は、 いつもするように、 無意識に芽依の小さな手を、 両手でソッと優しく包み込んでいた。 そしたら、 芽依の小さなあったかい手が、 俺の手の中で微かに動いたような気がして、 「芽依」 芽依の耳元に顔を寄せてソッ優しく囁きかけてみると、 まるでその声に応えるかのように、 ゆっくりと芽依の瞼が押し上げられて、 綺麗な黒目がちの潤んだ大きな瞳を 揺らしながらぼんやりと俺を映し出していた。 気づけば俺は、 隣に居る姉さんの存在なんて忘れて、 泣きながら芽依の身体を優しく包み込むようにして抱きしめていた。
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