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「まぁ、でも、その方が良いかも知れねぇよな。
芽依が余計なことばっか考えないように、たまには色んなとこも使わねぇといけねぇし。
そーいう刺激も必要だしな。
個室だし、そんなに声も響かねぇだろうし……。
ってことで、さっさとコーヒー飲んで病室戻んねーとな?
もう日も暮れちまうし、寒くなるしな。
芽依、ほら、コーヒー。
あんま想像してっと鼻血出して貧血になっちまうぞ?
そんなに心配しなくても、久々だし、手加減してやるよ」
お決まりのように、
真っ赤になって悶えている私を置き去りに、
どこまでもマイペースな海翔の独り言は、
あらぬ方向へと向かって暴走してゆく。
コーヒーを渡してくれた海翔は、
熱を孕んだ瞳を爛々と煌めかせて、
見つめられただけで恥ずかしいけど、
自分の意思に反して最奥が疼いてきちゃうし。
いくら悶絶中だと言っても、
あまりにも恥ずかしい内容に堪り兼ねた私は、
「……かかか海翔のバカ!
こんなとこで、恥ずかし過ぎるよ!
もう、ヤダー!」
無駄だとは思いつつも、
海翔に意義を申し立てるべく口を開いたのだった。
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