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私、海翔の負担になるのが嫌だとか思ってたけど、
海翔の気持ちなんて全然考えてなかったんだ。
私が海翔の立場だったらって考えもしなかった。
今の自分が海翔にずっと好きで居て貰う自信がなくて。
結局、
自分のことしか考えてなかったんだ……。
海翔がこうやって戻って来てくれてなかったら、
ずっと海翔のことを苦しめることになってたんだ。
私自身だって、
あんなこと言わなきゃ良かったって、
ーーずっと後悔しながら……。
「……海翔、ごめんね」
海翔のあったかい胸に顔を埋めながら伝えれば、
「遅ぇんだよ。
それに、俺の有り難み、解ったのかよ?」
相変わらず、拗ねた口調で、
文句を言うように言ってくる海翔の声が、
身体に直(ジカ)に響いて伝わってくる。
僅かに震えた切ない声が……。
「うん、解ったよ。
もう、あんなこと言わない。
海翔とずっとずっと一緒に居たい。
こんな私だけど、結婚してくれる?」
気づいたときには、
海翔のあったかい胸にしがみついて、
必死になって泣きながら、そう伝えてた。
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