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「そんなこと誰が頼んだ?
何かして欲しくて芽依と結婚したいんじゃねえし。
ただ傍に居て欲しいってだけじゃダメなのか?
芽依だって言ってたじゃねえかよ。
俺とずっと一緒に居たいって。
芽依は俺に何かして欲しくて結婚したいのか?」
私の言った言葉を聞いた海翔からは、
今度は凄く呆れたような声が返ってきた。
「そんなこと思ってないもん。
海翔と一緒に居られるんだったら、それでいいんだもん。
私だって、海翔に何かして欲しいなんて思ってない」
海翔に何かをして貰いたいなんて思ってない……
ってことをなんとか伝えたくて、
捲し立てるようにして言葉を紡げば、
「だったら、それでいいじゃねえかよ。
もう、ゴチャゴチャ言わずに、芽依は俺の傍に居ればいいんだよ」
私の肩を掴んで顔を覗き込んで来たかと思えば、
言葉通り、何も言えないように、
有無を言わせない、その荒っぽい口調とは裏腹に、
優しく食むようにして、私の唇は塞がれてしまったのだった。
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