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プロポーズの後、 私はずっと海翔のあったかい腕に包まれたまま泣き続けた。 だって、 海翔は指輪まで用意してくれてたんだもん。 本当は、 あの日、私が事故に遭っちゃった日に渡そうと、用意してくれてたらしい。 それに、 海翔は、私の身体のことも、ある程度の予想はしてたらしい。 でも、 そんなことは全然気にもならなかったらしい。 ただ、 その事を知った私のことが心配だったけど、 それよりも生きててくれたことへの嬉しさの方が勝っていたらしい。 それに、 不謹慎だけど、 入院してる間は私のことを独り占めできるって、 ちょっとガキみたいなことを思ってしまったって、 凄くバツ悪そうに話してくれた。 やっぱり、 仕事とはいえ、 松岡主任と一緒に居るって思うと、 どうしても面白くなかったらしい。 腹違いのお兄さんが私の近くに居るって思うと、 やっぱりお父さんのことを思い出しちゃうからなんだろうけど、 私には、よくは解らなかった。 だから、 身体のことは、 気にしなくてもいい…… ゆっくり一緒に頑張ろう…… 海翔はそう言ってくれた。
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