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なんにも言わず固まったまんまの私が心配になってきたのか……
私の肩から顔を浮かせた海翔が、
「……ん? 芽依、どうした?
さっきより真っ赤になってっけど……」
とても心配そうに聞いてきた。
けど、
そんなことを聞かれるなんて思わなかった私は、
なんて答えたら良いのか解んなくなって。
頭の中が真っ白になってしまった私は、
「……だって、海翔の息がかってドキドキが止まらないんだもん」
馬鹿正直に本当のことを口にしてしまったのだった。
そんな私に、
「じゃぁ、俺と一緒だな?」
「……へ?」
海翔から返ってきた言葉は思いもしないものだった。
「んな驚くようなことかよ?」
少し呆れたような声を出した海翔が
私の片方の手をそっと自分の胸へとあてがった。
「ほら? 確かめてみ?」
ポカンと海翔のことを見ている私に、
今度は、とっても優しい笑みを向けながら。
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