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「1年、えー組…えー組は、あ、ここか…」
うひゃー、ドキドキするなぁ
芸能学校って分かってるけど、やっぱ教室に有名な人が普通にいると入りづらいって言うかなんていうか…
と、ドアガラスから教室内を覗いてると
「何時までもそこに立ってないでよ。邪魔なんだけど」
「えっ?」
振り返ると、同じ背丈の赤紅色の天パな男の子…ってこの人、今人気出てきてる有名グループ“miel”のメンバーの飯波羅智(イイナミライチ)じゃん!!
うわー!始めて見た!アイドルだ!有名人だ!!
すっごい可愛くて素敵だなぁ~!
「…ねぇ、聞いてる?邪魔だって言ってんじゃん。早く退けよ」
「あ、ごめんなさい、」
「…ッチ」
肩を肩で突き飛ばし、教室へと入る飯波羅智
…前言撤回。
可愛いのは見た目だけでした。
苺実は先程まであった教室へと入る緊張が無くなり、人数がまだ全員揃っていない教室に入ると黒板に書いてある座席表を見て、廊下側の一番前に座った。
まぁ、“芦田”だもんね…
と、何気なく後ろを振り向くと
「wao…」
どうして羅智さんが後ろに…!?
あ、そうか!“飯波”で“あ行”だからか!どーしよ…話し掛ける?…いやいや、あの感じだぞ?はぁ?って言われて、気まずいまま会話終了になるのがオチ。でも話し掛けずに“ドアの前で突っ立てた邪魔な人”のイメージのままは苺実ちゃんのプライドが許せないし…
「ねぇ」
いやいや、でもここは思い切って話しかける?
だからと言って適当に流されるのも困るし…
「う~ん…」
いやでもそこは、キャラ演じきって突っ切るけるか…?
「ねぇ!」
「うひゃあ!」
「なんでずっと無視するのっ?僕の事、嫌いなの…?」
…What?
えっ?え?なんで涙目なんですか?
いや、え?貴方さっきめちゃくちゃ怖かった飯波羅智さんですよね?同一人物ですよね?
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