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と、気が付くと教室にはもう生徒が皆揃っていて先程までちらほらと空いていた空席も、今では各自きちんと自分の席に着いて空いている席など一つも無かった。
何だかんだしてる内に担任の垣 恵菜(カキ エナ)先生が教室にやって来て、恒例の自己紹介タイムが始まった。
私は勿論一番目だったのでいつもやっているお決まりの自己紹介をし、さっさと終わらせ“あ、新番組の主役の子だ”や、“アニメの声優!”等と思いながらクラスメートの自己紹介を真面目にいい子で聞いている。
と、羅智さんが後ろから肩をちょいちょいとつつき小声で話し掛けてきた。
「ねぇねぇ、苺実ちゃんは何か部活とか委員とかやるの?」
「いや?めんどくさいし…」
私が答えると、羅智さんは“ふぅ~ん、そーなんだぁ~”と言いながら頬杖を付き自己紹介をしている女の子を見た。
「羅智…君は、何かやるの?」
じっ、自分で気軽に呼んでって言ったのに!呼んだ瞬間にあの人を殺す様な目!
睨むでも喧嘩売るでも無くて、人を殺す冷たい目!
しばらくびくびくしている苺実を睨み、ふぅ、と小さくため息をつくと口を開く
「そーだなぁー…考えちゅーってとこかな」
――――――
あれから、全員の自己紹介が終わり、クラス委員や各委員達が次々へと決まって行った。
「では、皆さんお疲れ様です!これで今日の予定は全て終わりです!他の学校よりも早いですが明日からは通常授業なので宜しくお願いします!では、気を付けて下校して下さいね!」
担任のその一言を合図に、今まで静かだったその教室が皆、各々一気に騒がしくなった。
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