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「苺実ちゃん!バイバイ!また、明日ね!」
「ばいばーい!」
私は鞄を持ち、出入り口の所で笑顔で手を振っている三人組の子達に手を振り返し、“うへへ、友達出来たー”等と思いにやける口元を平常に保ちながら人数の少ない教室で、自分も帰りの支度をする。
と、ふと、足元を見ると一枚の小さなメモ紙が半分に降りたまれて落ちていた。
その紙を広い、広げ見てみると丁寧な字で“4月10日 新宿スタジオ 音楽バラエティ 音楽+(プラス) 撮影 17時~”と書いてあるだけだった。
「なんだこれ?」
誰のメモだろ?…4月10日って、明日じゃん。音楽プラスって確か、テレビでやってるアーティストのゲスト呼んだりするあの音楽プラス?
なんでここに落ちて…
もしかして。
「羅智君!ばいばーい!」
「ばいばーい!また明日ねっ!」
頬を赤く染め、手を振る女子の固まりに俺は笑顔で手を振ると“きゃー!!羅智君とお話しちゃった!!”と騒ぐ固まり達。
何回目だよこれ。疲れたし、めんどくさい。黙って静かに帰れないのかよ。等と思いながら小さくため息を小さく付き、靴を履き替え帰る方向に足を進めようとしたら
「らぁぁいいちぃぃくぅんんん!!!」
…この声は、俺の前の席に座っている女…。
なんだっけな、なんとかイチゴ。とちおとめだっけ?
てか声でか。馬鹿だろ。皆こっち見てんだろ。すごい注目されてんじゃん。
同じクラスだからって調子に乗って、俺に近づくアホストロベリー。
一瞬シカトしようと思ったが、周りの目があるので仕方無く振り返ると息を切らしたストロベリーがいた。
「ハァ、ハァ、良かった!間に合った!あのね、これ、落ちてて、」
と言って右手を出した、その右手には一枚の小さなメモ紙があり、受け取り開くとそこには俺がこの間、内容を電話で聞きながら書いた今日の仕事内容のメモ紙があった。
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