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はぁ~、暇だなぁ。
羅智さん仕事で、帰っちゃったしなぁ…
家帰っても暇だし一人でソラマチでも行こっかな。あんまり行った事ないし。
結局羅智と門で別れ、1人ブラブラと歩いている苺実。
学校から徒歩20分程にある墨田区内の大きな展望台の下に付いているショッピングモールへと向かった。
「かわいいい~!!」
平日の昼間とあってか、客は少なく店内は空いていた為、変装無しでも大丈夫だったので、マスクをしないでいた。
苺実は三階のアクセサリー屋で薄い水色と黄色の星型のブレスレットをみて、目を輝かせていた。
「お客様、そちら本日入荷した新商品なのですよ~!」
ふ、と声のした方を見ると、清潔感のある綺麗な女性が笑顔で話し掛けていた。
「へぇ!そうなんですかぁ!すっごい可愛いですね!いいなぁ、このブレスレット…」
と、言いながら値段を見てみると
ごっ、五千円…!?
値段を見るなり固まり、愛想笑いで店員さんを見て店を出てきた。
五千円なんて高すぎるよぉ…
女子高生の財布の残高侮っちゃだめよ
はぁ、と溜息をつき、エスカレーターで二階に降り本屋へと向かう。
本屋へ着くなり、真っ先に写真集のコーナーに向かい、ライバルのアイドル達の写真集を読みあさりポーズや表情の勉強をしていた。
と、しばらく読んでいると横から“げっ…”と、声が聞こえた。
苺実が振り向くと、そこには黒縁眼鏡とマスクをしている人が立っていた。眼鏡とマスクをしているので、顔全部は見えないが声と身長が羅智とバレバレだった。
「あれぇ!何してるの!?」
羅智は“うわぁ…”と迷惑そうな、“会っちゃった…“って目をしてくるりと苺実に背を向け、歩き出した。すると、
「待って待って、どこ行くの?羅智k」
と、苺実が大きな声で言うから慌てて、手で苺実の口を塞ぎ顔をずいっ、と近づけ小声で
「バレるだろ!馬鹿か!静かにしろ!」
「ふぇっ、…バレる?」
と、周りをキョロキョロと見渡すと店内にいたお客さんが、こそこそと話しながら自分達を見ていた。
「~っ、取り敢えず移動するぞ」
と言い苺実の手を引っ張り、急いで本屋を出た。
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