劣等と優等

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私の名前は綾白燐(アヤシロリン) 極普通の女子高生、容姿は普通位だと思う。自分で美人とか言うのは、相当の自惚れでしか無いと私は改訳している。 憂鬱な気分を拭おうと、ふとリビングに置かれたパソコンを立ち上げ。椅子に座ってキーを押す、するとあのサイトが出ていた。 思わず仰け反り、慌てて画面に眼を凝らしていると。少女が一瞬映った気がした、綺麗な姿の彼女に息を飲み何気無くサイトを開く。 無意識だった、ただ少女に近付ける気がし。気付けば其れを見付けて、私は不思議な空間に飛ばされた。 突如画面に穴が開き、吸い込まれるよう接近しては軽い目眩に襲われる。 フッと、場面が切り替わり燐は見知らぬ場所に立っていた。手には私物のパソコンが確りと両手で握られ、後からずしりとした重みを感じる。 「重っ、此所は何処…なの…?」 「ようこそ、私の世界へ。心に闇を抱える者は皆何故か誘われる。其れがこの世の決まりでありルール」 夢に出てきた、彼女が二次元を繋ぐかのように目の前に居た。赤い眼は炎のよう妖艶で、紫の長髪は綺麗に延びている。 実際に見たら、誰もが心を奪われるであろう綺麗な容姿は余りに美し過ぎた。 同性でも、構わないと思うくらいに可愛い。もう何があったかなんてどうでも良い、ただ傍に居たい。 半ば一目惚れだ、自身が女性だと分かっていても恋に落ちてしまった。 彼女、煉は微笑しながら私に近付き。ゆっくりと髪を撫でる、途端に心臓が激しく脈打つ。 会いたかった、夢に居た彼女は美しくも何処か寂しげだ。
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