Act.3 契約と諦めと恋の代償

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  「それが"恋愛したくなった"と宣言する人の顔ですか…」 「そんなおかしな顔してますか?」 「あたしの大嫌いな胡散臭い顔はしてますね」 「ははは、やっぱり涼華さんには敵わないな」 小細工は通用しないようだ。 そう付け加え、蓮池さんはようやく腰に回していた腕を解いた。 離れたことで靴底に踏みつけられた砂利が小さく砕ける。周囲に人がいないのがせめてもの救いだったかもしれない。さっきのキスといい、互いの距離といい、この趣ある庭園には酷く似つかない。 仲居さんに見つかりでもしたら、自重するよう注意されそうだ。 やがて蓮池さんは小石の敷きつめられた砂利道をまた歩き出す。 そして今度は首だけをこちらに向けて「来てくれますよね?」と、優しげに目を細めた。 「まぁ"恋愛"の件は冗談として、暇潰しだと思って参加してもらえたら嬉しいんですけど」
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