Act.4 無意味に色づく赤い花

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  「挨拶回りしてくるって言ってたし、その辺で胡散臭い顔でも振りまいてんじゃないの?」 「胡散臭いって…、招待されといてそんなこと言うか?普通」 「うっさいわね。どうしてもって言うから来てやったんじゃない」 「ほんと最悪だな?お前。このまま本性バラしてふられちゃえよ」 「あたしが振られると思ってんの?」 「いやいや絶対振られるから。どんだけ自信あんだよ…」 蓮池さんにとってもその方が絶対いいって。 そう言った響にあたしはハンと鼻を鳴らす。 残念でしたー。すでに本性を見せ合ってる仲なんですー。だから振られるわけがないんですー。そう自信たっぷりに宣言してやろうと鼻を高くしたとき。 「心配には及びませんよ」 ふと背後から聞こえた声にハッと肩が跳ねた。
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