Act.4 無意味に色づく赤い花

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  響を除いたその場には、あたしたち3人だけが取り残される。 セレモニーの華やかな雰囲気と楽しげな談笑が聞こえてくる中、あたしはすっかり思考をストップさせていた。まさか梓まで来ているとは思ってもみなかった。 「涼華さんもいらしてたんですね」 梓と蓮池さんとの間に面識があるのかは分からない。しかし、梓は人前であたしを"涼華さん"と呼ぶ。響のことも"響さん"と呼ぶ。 違和感のある喋り方はやはり耳に馴染まないと思った。 嫌だと思った。
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