Act.4 無意味に色づく赤い花

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  「本日はお招きいただき、ありがとうございます。ご無沙汰しております」 「確か、叶さんの秘書だという…」 「一ノ宮梓、と申します」 畏まった声に耳を傾ければ、ちょうど蓮池さんに対して会釈をしているところだった。 「あぁ一ノ宮さんでしたか。お久しぶりですね。飲んでますか?」 「いえ、私は叶の秘書として参加しておりますから」 「はは、確かに。秘書の貴方が潰れるわけにはいきませんからね」 冗談混じりに蓮池さんが笑う。 梓もあえて言葉を返すようなことはせず(梓がめちゃくちゃお酒に強いってことは、あたしが一番よく知っている)蓮池さんに合わせて涼しげな顔をしているだけだ。 そんな梓の目に、あたしはこれっぽっちも映っていない。 梓があたしを見たのなんて、最初に声をかけてくれたときだけだ。 まるであたしがこの場にいることなんてどうだっていいと言っているような、そんな心理が手に取るように分かってしまう。
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