書く事無いかしら

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葵は悩んでいた。 何を書こうかと。 「今日は特に面白い事なかったしな」 相も変わらず昨日から降り続く雨。 その一粒一粒がアスファルトを弾く度、時計の秒針が催促してるように感じていた。 「雨のネタなんて書いてもつまらんしな」 中々書く事が見つからない葵は、いつもの手段を思い出した。 「書く事ないなら、書かなきゃえぇ」 そう思いながらも、心の何処かではスマホを気にしていた。 ファン登録しているクリエイターの作品を読みながら、何かしら発見がないかと考えていた。 そして、葵は思った。 書く事無いこと書けば良いと! 「よし、更新しよ!」 おもむろにスマホを握り、コツコツ文字を打ち込む葵。ネタもないのに、入力文字数が泡のように増えていく。 「これでいいかな?」 打ち込んだ文字は300を越えていた。 いや、まだまだ書けるかもしれないと、意味が不明な事を書き込んでいく。 「読者様には申し訳ないなぁ」 そんな罪悪感に浸った葵は、神様をあてにしてみた。 「面白いネタありますように」 残念ながら、雨雲に包まれた空は葵の願いを妨げて、いっそ激しく雨を降らした。 「なんでやねん」
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