大人の寄り道

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席についた葵は、煙草を取りだし、フゥと一吹かし。スマホを取りだし、早速更新を始めた。 「うわぁ、栞増えてるなぁ!メチャクチャ嬉しい!」 こんな中身がない小説を読んで頂くのも申し訳ないのに、本当に有難い事である。 「中途半端な事書けへんから、ちょっと気合い入れて書こ!えっと、今日あった事はと……」 つらつら書き始めたのはいいのだか、重大な事に気がついた。オチがないのである!いつも通りに仕事して、いつも通りの帰宅。ドトールに寄った事くらいしかない。 「よし、ウチは寄り道をする不良少女って事にしよ」 そう決意した葵は不良少女として生きていく事に決めた。寄り道は大人でも不良だと勝手に決めつけて。 「よし、書けたわぁ。これからは仕事終わったら、寄り道しよ」 残った珈琲を飲み干して、葵は帰宅の準備をして店を出た。 「雨の中を帰るのは気が進みませんなぁ」 と思った瞬間、ある事を思い出した。 「あっ!店に傘忘れた!」
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