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「……大丈夫じゃないっす……」
とりあえず答える。
女の子が頭部に馬乗り。でも顎痛い。すごいよな。漫画とかドラマとかでもこういうのはなかなかないって。
「で、でもスゴいなお前……割りと高いところから落ちてきたはずだけど、元気そうだ……」
「……まぁ自分でも何故良くこんな冷静でしかも普通に話せてるかわかんないっす……」
俺ってば頑丈なのかも。いや、そうじゃなくて。
「……それよりも、とりあえず。まず最初にどいてくれやしませんかね。顎痛いっす……」
「わわ!?す、すまん!!」
女の子はパッと俺から離れた。顔をうかがうように俺の目の前で屈む。
あ、スカートだ。中身純白。
「えっと……本当に大丈夫か?すまない……なんと詫びれば良いか……」
「……いや、なんか大丈夫そうなんで別にいいっす。ていうか……」
おそらく、上空から降ってきたんだよなぁこの娘。そこに歩いていた俺に直撃した。そして俺、顎ぶつけただけでなんか無事。
我ながら、どうしよう。反応に困る。
「なんでまた降ってきて……なんかあったんですか?」
言いながら俺は女の子の顔を見上げる。
短めなスカートから除く純白のソレから始まり、なんかちょっと風変わりな服装。割りと大きめの胸を通りすぎたなら、そのまた上には、心配そうに俺を見てる若い女の子。
俺と同い年くらい。
「く、詳しいことは言えないが……その、私は訳あってここにいる!」
「……はい?」
白い肌、少しつり目、両目には泣き黒子、綺麗な青い瞳、腰まで延びた栗色の長い髪。
月並みな感想だけど、綺麗だった。
そんな綺麗な顔に無意識に見とれていると、女の子はふいに俺の手を握ってきた。
「わ、私と!!結婚してくれまいか!?」
「…………」
結婚、だってよ。
「…………この状況で?」
これが、初めてこの娘と出会った瞬間であり、俺は驚くほど冷静に突っ込んだ。
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