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「ぬぅ…………あ、あれだ!!私は1人だと寂しくて寝れんのだ!!」
そんなとって付けたような。
「なんのために部屋を用意したと思ってんだよ。小さい子じゃないんだから。寂しいなら杏にでもお願いして一緒に寝てもらえよ」
「妹に情けないところを見せる姉がどこにいる!?」
いやだからネムの妹じゃないだろ。
騒ぐネムを自身の部屋の前まで連行する。必要最低限の物しか部屋にはないけど、それでもちゃんと掃除はしてある。人が使うには問題ないはず。
「ネムの魔法がちゃんと成功してるなら、ネムも明日は学校だろ。ちゃんと寝て明日に備えなさい」
「まだ私の魔法を信じていないのか!?ちゃんと学校に通えるようになっているに決まっているだろう!?」
「わかったわかった。じゃあおやすみ。部屋に何か必要ならまた言ってくれ。できる限り揃えるようにするから」
「ま、待て拓也!!今私と寝たら、もれなく快楽への…………」
怪しい単語が出てくる前にネムを部屋に入れドアを閉めた。
あの娘はあの後何を言おうとしてたのか。
「…………はぁ…………」
何故か溜め息が出た。
今日1日で疲れたからか。それとも別の理由からか。何にせよ、明日からは今までとは違った日々になってくるだろう。
「…………寝よ」
思いの外、ネムは部屋に入れられてから大人しくなってしまっていた。観念したか。
今日は無断で学校をサボったことだし、学校の先生からはある程度怒られるかもしれない。
少し憂鬱になりながら俺は自分の部屋に戻りベッドインする。
するとほんのりいい匂いがした。ネムの匂いか。使ったシャンプーとかは変わらないはずなのに。女の子特有の匂いというか何というか。
変なところでネムの女の子の部分を感じてしまった俺だった。
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