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「よっし。おめぇら三人とも昨日このダンジョンやってんだろ?」
「あ、はい」
トレイルが喋るときに若干頭を揺らすのは何なんだろうか。別にどうでもいいことだが
すごく気になってしまう。
「よし。おいよしろう! お前は俺と来い!」
「うぃっす」
「いやちょっと待てよ! 別々でいくのはいいけど、俺にこの二人お守りしろってか?」
「うるせぇー。こいつらは昨日三階まで行ったんだろ? じゃぁ三階で落ち合おう! じゃーな!」
自分の意見だけを言い倒して、アーロン行ってしまった。
いつも無鉄砲で自分勝手だが、それは慣れ親しんだ俺と二人きりだからだと思っていたが、他のプレイヤーがいても変わらないのか。
仕方がない。としか言いようがない。
「トレイル、スパーダ、詳しくは進みながら聞く。昨日と同じ道を先導してくれ」
「あ、りょーかいです」
頭を揺らしながらの気のない返事に思わず額をおさえた。
先が思いやられそうだ。
大矢達は正面玄関を左に曲がっていった。職員室や、校長室、その先には理科室や家庭科室など普段あまり使わない部屋が多くある。
この学校の構造を簡単に言うなら、正面玄関を中央として、右側が普段生活する教室。左側が、授業を行う時にだけ使う部屋だ。
「俺たちは教室を当たっていくぞ」
「あ、りょーかいです」
頭を小刻みに揺らしながら、トレイルは左手首の腕輪型転送装置から武器を取り出した。一般的なショートソードだが、武器ランクはA。トレイルは24レベル、つまりプレイヤークラスはD。ということを考えると、かなり不釣り合いな武器だ。
ちなみにプレイヤークラスだが、レベル1~9がF。10~19がE。20~29がDクラスとなる。
このゲームのいいところか悪いところかは分からないが、どんなにレベルが低くても、例えば1レベルでも、SSSランクの武器を装備することが可能だ。ステータスと武器のランクに大きく差がある場合、武器の性能を最大限発揮することはできないが、それでもランクの高い武器と低い武器では雲泥の差がある。
「トレイル、それいくらした?」
いくらとは値段のことだ。
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