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「彼は、嫌がるでしょう? お守り、とか」
「だろうな。けど、三年だしな。本人にも話はする。別に、がっつり関わらなくていい。昨日みたいに、時々寝ているところを起こしてくれればそれで」
「はあ……」
正直、四谷琉聖と席が隣であること以上に関わり合いになりたいとは思わなかった。
「他の先生からも言われてるんだよな。何とかしてほしいって」
どうして、先生が言われるんだろう。
もう、担任ではないのに。
そんな疑問が、口に出さずとも伝わったらしい。
ああ、と先生は言った。
「あれ、俺の甥っ子だから」
甥っ子。
「えっ……、そうなんですか?」
「姉貴の、息子」
言われてみれば、宇津見先生も女子に人気のある長身イケメン枠だし。四谷と縁戚関係にあるというのも、頷ける気がした。
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