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四谷と最後に会った日から二週間後の金曜日。 会社の最寄り駅前で待ち合わせた相手は、従姉妹の桃ちゃんだった。 小さな頃から知っているので不思議な感じだが、今年二十五歳、すっかり大人の女性といった雰囲気だ。 「緑君は、仕事?」 「そう。緑も今忙しいみたいで。年末あたり改めてごはんでも、って言ってたよ。わかちゃん、年末は実家の方に帰ってくるんでしょう?」 「そうだね」 「あたしたちも大晦日かその前日くらいに帰省するから。ごはん、行こうね」 「うん、分かった」 話しているうちに店の前に着いた。店員に案内され、テーブル席に向かい合って座る。
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