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そうこうしているうちにラーメンがやってきて。いただきます、と手を合わせて食事に入る。一、二分ほど、二人して無言でラーメンをすすった。 「……でもさ、いろいろ考えちゃうな」 「?」 「結婚、とか。そういう、これからのこと。何がなんでも結婚がしたい、とは思わないんだけど。ずっと一緒に生きていこうと思える相手がいるっていうのは、すごいよね」 「そう、だね」 僕はまた、四谷のことを考えた。 四谷とずっと一緒にいたら……? 怒っている自分しか、想像ができないけど。 でも、悪くないな。 ぷはっ、と息を吐いて桃ちゃんが笑った。 「わかちゃん、やっぱり彼女いるんでしょう」 「え?」 「今、すごくかわいい顔してた。好きなひとのことを考えてますって顔」 「し、してない……」 落ち着いたら紹介してね、と桃ちゃんはやわらかく微笑んだ。
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