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外の空気によって冷やされていた肌が、たちまち熱を持ち始める。僕は冷えきっていた左手をほっぺたに押し当てた。
『何だよ、それ……』
困ったように、あるいは焦ったように、四谷が呟く。
四谷らしくない声色に、きゅうっと胸が締め付けられるのが分かった。
もしかしたら四谷は、僕が思うより僕のことが好きなのかもしれない。
そう思ったら、顔の火照りがより一層ひどくなった。
「四谷。えっと……、何であの駅にいたの?」
『あの辺で私立の高校の説明会があったから、参加してきて、その帰り』
塾の生徒に進路指導を行う関係で、学校説明会にも顔を出したりするらしい。
『他にもこっち方面でいくつか用事があったから、ついでに済ませて。帰ろうと思ったら、駅で若葉が女と歩いてた』
言い方に、刺がある。
……誤解なのに。
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