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「どう、して」
問いを、喉から絞り出すと。
四谷がふいっと目を逸らした。
「……高校のとき」
「高校?」
「体育祭の後くらいから、俺のこと避けてただろ」
ばれてた。
確かに、避けていた。
人を好きになったのは、そのときが初めてで。相手は男で、遊び人で。どうしていいか解らなかったから。
「……本気出したら、逃げられるんだと思った」
本気。
「誰が、誰に?」
「俺が、若葉に。他に誰がいる?」
四谷が呆れたように息を吐いた。
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