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しばらくして、緑色の髪の人と一緒に受付の人が戻ってきた。
「初めまして、私はこのギルドを管理しているノートリウス・シルフと言う者だ。」
「ども、宝木卓真です。」
「セラと申します。」
「話によれば水晶で測定できないほどの魔力と、属性の全てを持っているのだとか?」
「そうですね、先ほどの結果が間違いなければ、ですけれど。」
「いえ、このお方の魔力と所持属性は間違いではございません。」
「そうか、間違いないか・・・クリス、すまぬが国王に連絡を入れてくれ。」
「か、畏まりました。」
「君は私と一緒に来てくれたまえ。」
シルフさんの後ろについて地下に案内され、何も言われない内に剣を向けられていた。
「私と勝負してもらう、君が勝てばギルドに登録し、負ければ即刻死刑となる。」
「いやいやいやいやいや、死刑ってなんですか!?何か悪い事しましたか!?」
「問答無用!」
いきなり襲い掛かってきたシルフさんの剣を避ける。
「セラ!」
「はい!応援してます!!」
とりあえずシルフさんの動きに集中して避ける事を優先する。
「あ、あれ?」
集中すればするほどシルフさんの動きが遅くなっていく。
そしてその動きは俺の目の前で止まってしまった。
(なんだ、何が起こっている!?)
思いつくのはセラの応援の結果。
何らかの魔法によってシルフさんの動きを止めてくれたのだろう。
そしてシルフさんを良く見るとゆっくりと剣を振り下ろしてきていた。
「よっと」
俺はそれを避けて後ろに回りこみ、膝の裏を蹴った。
バランスを崩したシルフさんはそのままゆっくりと地面に倒れて行く。
もういいわ!と思った瞬間シルフさんの動きが急に早くなってドサッと倒れた。
「くっ、転移か!?」
いや普通に歩いて後ろに回ったから。
とりあえず言える事は
「シルフさん、俺の勝ちで良いですか?」
「まだだ、まだ終わりじゃ無い!!」
振り向き様に一閃、俺の服を軽く切り裂いた。
「ちょ、待ってこっちはまだ準備できてないですって!」
後ろに軽く飛ぶと、10mもの距離が開いた。
「え?」
そう言えば、最初に盗賊を助けた時もそうだった。
「身体能力が・・・上がってるのか?」
良く解らないまま、シルフさんの繰り出す攻撃を避ける。
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