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「序に腕力以外の力の使い方も学んできなさい。」
「何それ?魔法とか?」
「そうだ、魔力と神力だ。」
何それ楽しそう!
「おーけーおーけー、それじゃ今度は死なない程度に力頂戴。」
「封印してある力を解放してやる。それを使えば大丈夫だろう。」
そういって親父は俺にデコピンを一発。
「おぉ・・・これが力か・・・ククク」
「悪役かお前・・・悪い事したら父さん直々に天罰下すから、そのつもりでな!」
創世神直々の天罰とか恐すぎる。
「デウス、こいつの監視を頼む。」
「はい、解りました。」
すっかり泣き止み、立ち直ったショタな神様が恭しく頭を下げるのを見て頷く親父。
「サポート役に私が付いていきましょう。」
「助かる、卓真の事は任せた。」
「畏まりました。それでは卓真様、参りましょう。」
「いや、様付けは止めて欲しいんだけど。」
「ではどのようにお呼びすれば?坊ちゃまとかですか?」
どこの高貴なお方だよって、創世神の息子だったな俺。
「呼び捨てで良いよ、抵抗があるならさんまでは受け付ける、偉いのは親父であって俺じゃ無いから。」
「解りました、その様に致します。私の事はセラとおよび下さい。」
「卓真さん、死なせてしまったお詫びと、ハンカチのお礼に僕からもサポートさせていただきます。」
そう言って神様がくれたのはその世界のすべての知識だった。
言語、魔法の属性と種類、世界の歴史や成り立ち。
「ありがとうございます。」
「それでは僕の管理する世界へ送ります、お気をつけて。」
一瞬視界がぶれた後、俺の司会は真っ青になった。
そして不意に襲い来る浮遊感。
「おいおい、まさかこれはお約束のあれかな?」
「卓真さん!!」
どんどん小さくなっていくセラを前にして俺は腕を組んで自由落下に身を任せる。
「デウス、次にあった時にしばく。」
そんな俺にセラが追い付いたのは地面すれすれでの事だった。
「ま、間に合いました・・・。」
俺をゆっくり地面に下ろしてその隣に降りて羽をしまっている。
俺は膝をがくがくさせて顔は涙と鼻水でべしょべしょ、しかし男の意地で笑顔だけは崩さなかった。
「だ、大丈夫ですか?」
「恐かった、俺次にデウスと出会ったら自由落下の恐怖を教えてあげようと思う。」
俺の顔を拭きながらセラが苦笑いしていた。
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