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扉を開けて中に入ると、鎧を着たごついおじさんが仁王立ちしていた。
「邪魔だ小僧、道を開けろ。」
「あ、はい。」
セラと一緒に道の端によって道を開ける。
「ずいぶん横柄な方でしたね。」
「気にするほどじゃ無いさ、さっさと登録しよう。」
カウンターの前に立つと受付の女性が笑顔で対応してくれた。
「ようこそ風の囁きへ、登録ですか?依頼ですか?」
「登録をお願いします。」
「そちらの女性も登録でしょうか?」
「えっと・・・。」
「セラも登録しておけば?ほらそこの依頼書に料理の手解きとか、セラにぴったりじゃん?」
「では登録します。」
「はい、かしこまりました。こちらの用紙に必要事項を書き込んでお持ち下さい。」
紙とペンを渡されてお礼を言って適当な席に座る。
「えっと何々?」
『ギルド、風の囁き登録申請書
1、命の保障は出来ません。
2、帝を目指して頑張りましょう。
お名前、年齢、魔力量、属性を教えて下さい。
名前
年齢
魔力量
属性
上記に誤りはございませんか?よろしければご趣味を・・・。』
とりあえず書き終わった。
「趣味・・・料理と読書っと、出来ました。」
「それじゃさっさと出しに行こう。」
魔力量と属性の欄が空欄のまま受付に用紙を渡す。
「はい、それでは魔力量の測定と属性の検査を行いますので、こちらの水晶に手を当てて魔力を流して下さい。右の水晶が魔力量、左の水晶が属性検査です。」
とりあえず魔力量測定の方の水晶に手を載せて魔力を流す。
するとそれは焼け石に垂らした一滴の水のごとく一瞬で蒸発した。
「あ、あはははは・・・すみません。」
「い、いえいえ、大丈夫ですよ、あははは・・・」
お姉さんの顔もどこか引きつっている。
「次は属性の検査を行います。」
俺は言われた通り、左側の水晶に手を乗せて魔力を流す。
融けたり割れたりしないかと心配になったが、眩いばかりの白い光を放つだけで割れたり融けたりはしないようだ。
「ハイ、属性全部ですね・・・ぜんぶ!?」
まぁ、創世神の息子だし、風も光も闇も火も水も土も全部親父が作ったもんだし、俺がそれを受け継いでいてもおかしくない。
「マ、マスター!!」
受付の人はそう叫びながら奥の部屋へと走っていってしまった。
「私なんて火と光しかありませんよ。」
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