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「ちゃんと好きだよ。
だから来いよ、志緒。
何も感じてないフリも
そろそろ限界だ」
「……ッ、バカ……!」
まだ何もしてないのに、
志緒の瞳から涙がこぼれる。
言葉だけで感極まるやりとりは、
一生のうち何度
できるもんなんだろう。
俺がそうしてやっていたように、
閉じ込めるように
覆いかぶさってくる
志緒の体を支えながら、
一方的に飲み込まれる
快楽に震えた。
本当に、
この女になら
命を取られたってかまわない。
嫋やかそうな体の中にある
心をもらえるなら──
それくらい安いもんだ。
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