屋上にて

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「恭平、一時間したら起こして」 広田がそう言って目を閉じてから、ずっと寝顔を眺めている。 自分でも、馬鹿なんじゃねぇのって思うけど。 いつもはドキドキしすぎて、まともに顔が見られないから。 屋上のいつもの場所で。壁を背にして座り込んだまま、頭だけを俺に預けて眠る広田を。 ここぞとばかりに眺めている。じいっと、穴が開くんじゃないかってくらい。 普段、 広田の顔を正面切って見つめるなんて、絶対無理だし。 恥ずかしくて、とてもじゃないけど出来ねぇし。 眠ると少しだけ幼くなる広田の寝顔。 それを誰にも邪魔されることなく思う存分眺められるなんてさ。 こんなチャンス、なかなか無いだろ?
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