忘却

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求めてはならないものに手を伸ばしていた。 その姿を君は滑稽だと笑うだろうか。 誰かを求めずにはいられない運命(さだめ)。 求めないでいる方がよっぽど難しい。 その全てを受け入れることなんて絶対にできないことだよ。 そう誰かが遠くで嘲笑った。 その誰かに問いたい。 一番大事なものが消えてなくなる恐怖を知っているのか。 しかしまた誰かが言った。 いざ失ってみると、 それは本当に大事だったのか、 それは本当に一番だったのかさえ分からなくなることの方が怖いと答えた。
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