2人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
巡り巡る幾つもの席つの中で、
すっかり変わってしまったと思ったのは僕だけで、
ずっと変わらないでいてくれた君なのに、
どうして気付けなかったのだろう。
君のことなら何でも分かっていた。
それが僕には誇らしかった。
何一つとして返せるものを持たない僕に、
数えきれないほどの思い出をくれた君が、
消えてしまった。
出会って別れたあの夏。
忘れようと足掻いていた色あせた毎日。
一年越しの再会で変わらない笑顔のまま、
僕のところへ戻ってきた君がたまらなく愛おしい。
最初のコメントを投稿しよう!