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まったく、お嬢様は何を考えているのだろう。
圭子は、訝しさと解せなさに顔をしかめて、腕を組んだ。
あれから、一週間。
なにが起こったのか、食堂に春海様が姿を現すようになり、それに伴い、千花子お嬢様への露骨な嫌味が控えられるようになった。
とはいえ、言葉の端はしに棘があることは変わらず、
「もうすぐ、秀行さんの誕生日ですわね。
誕生パーティではきっと、日下部氏が素晴らしいプレゼントを用意してくれそうね。なんたって、なんでも買えるくらいお金持ちですもの」
と嗤う菊枝の言葉にも、曖昧な笑みで返していた。
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