第五章 計画

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実際、お嬢様は毎日、どこか楽しそうだ。 いつもどこからか、紐で括られた原稿用紙の束を抱えて来ては、夢中になってそれを読み耽っている。 毎日、春海様に綴っていた手紙を書くことをやめて、今は日記を綴るようになっていた。 時折、ひどく難しそうな顔をしたかと思うと、 「やっぱり、これしかないわよね」 と頷いて、 「圭子さん、この手紙を父に送ってほしいの」 白い封筒を差し出した。
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