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「――失礼いたします」
頭を下げて足を踏み入れた校長室。
そこには、いつも厳しい目をした女性校長と、そして父・日下部耕造の姿があり、千花子はまた驚いた。
「千花子」
「……お父様。どうなさったんですか? お母様の具合でも?」
体があまり丈夫ではない母の身に何か起こったのかと顔色を変えた千花子に、父は「いやいや、そうじゃないよ」と笑った。
「日下部さん、あなたは今日限りで、この学校を退学することになります」
少し残念そうに、それでも笑みを浮かべて言った校長に、「えっ?」と聞き返した。
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